バケツとバスタオルと教科書と①

 初めましての方は初めまして。私のことをご存じの方はこんちゃ。コムです。

 ご存じの方も多いかと思いますが、最近まで私はブラック塾バイトの夏期講習で死にかけておりました。まぁ契約期間が九月いっぱいまでなのでまだ働くんですが、山場は越えた、といったところです。どなたか夏期講習にみっちり入って個別指導の経験を積んだどの学年のほぼどの教科も教えられる東大のB1を求めてるホワイト塾バイトや家庭教師を紹介してくださいおねがいしますなん(汚いので以下略)

 という導入から入ったんですが、今回はブラックバイトの愚痴を垂れ流すわけではありません。それは今度私が企画する「某塾被害者の会」という食事会で散々吐きます。今日の深夜に呼びかけ始めて既に5人参加者が集まったあたり、バイト先へのヘイトの高さがよくわかりますね。

 私のバイト先もそうなんですけど、塾って宗教性あったりしますよね。ウチが一番だ!っていうあまりにも強すぎる自負とか、頭にハチマキ巻いたりとか、なんかよくわからんけどめちゃくちゃ崇拝されてる講師がいたりとか。

 私が高校受験のために中学3年の夏から通ってた集団塾もそうでした。そこは全国展開してるようなところではなくて、北浦和でこぢんまりとやっているところです。私がなぜわざわざそんな塾に行ったかというと、親友のうちの一人からの紹介があったから、そして、その塾が成績向上という点において評判がよかったからです。実際、そこには県内の模試で1位を取るような天才はじめ、たいへん勉強ができてかつ頭の良い仲間たちがいて、とても励みになったし、私も無事第一志望の高校に合格できました。

 じゃあ文句はないじゃない、という声があがりそうですね、文句は、あります。そこの塾、めっちゃ怖いんですよ。特に夏期講習の社会。

 その塾にはH(イニシャル)先生という名物講師がいて、この人が面白いけどめちゃくちゃ怖いんです。私がその人を初めて見たのは、その人が桶と水の入ったバケツをもって不機嫌そうに教室に入ってくるときでした。なぜ水。

 と不思議に思いつつも何か異様で危険な雰囲気だけははっきりと感じた私の手は、恐怖で震えていました。そして他の生徒にいきなり質問が飛んだかと思えば、その生徒は間違え、「ちがーーーう!」という先生の怒鳴り声とともに、その生徒と教室の床はさっきまでバケツに入っていた水で水浸しになりました。(バケツとバスタオルと教科書と②に続く)